kozosannokotoの日記

コーゾーさん81歳、左半身不随意、売れない絵描き。そのコーゾーさんの娘が書く介護日記です。

消えてしまった「あのコは加工肉が好き」の始まり部分を「kozosannokotoの日記」に再度公開 ここが始まり

「あのコは加工肉が好き」序曲


日曜日の朝。夫に吉祥寺の駅まで車で送ってもらう

その日は確か、八王子の父の家に用事があった。

いつもは車で行くけれど、気まぐれに電車で行く事に決めたんだった。

用事は早々に切り上げて、帰りにどこかで一人ゆっくりしようと思っていた。

家を出る頃、リビングのテレビは人気のアニメ番組がついていた。

別に家族の誰もその番組は観ていなかった。ただ、ついていた。

主人公が海賊王になりたがっている冒険ファンタジー漫画。

その主人公の名前を、最近捕まった特殊詐欺グループがネット名で使っていた。

きっと彼らも子供の頃からその漫画を愛読していたんだろう。

つまり、そのくらい有名で人気なアニメ番組。

この時のアニメの場面は、和装の美しい兄(その人も海賊なのかは知らない)が、そっくりな顔の負傷した妹(この人も海賊なのかは知らない)を、救出するところだった。

彼は妹を仲間に任せ、着物の上半身を肌き、誇張が強く少し異様な筋肉美を見せつけながら刀を両手にいざ、敵に立ち向かおうとしていた。

これを「侍魂」と少年少女たちは思い成長していくんだよなぁと考えながら、

けど、着物の色も立ち居振る舞いも歌舞伎の世界なのよね。と、思った。

この漫画に限らず、いまのところジャポニズムな和装のファンタジー漫画の色は歌舞伎だと思う。

舞台の魔術を漫画に持ってきている。

歴史の勉強しているわけじゃ無いんだからいいんだけれど、大和魂に魅かれているより、舞台の魅力(魔力)に魅かれているわたし達なんじゃないかとよく思う。

誇張が異様な肉体は、歌舞伎だと大層な衣装に大変身しているはずだ。

漫画では様式美と人間の肉体変身が一体になっている。

なんだか興味深いなと思った。

場面は切り替わって、主人公が(それは人間なんだけれど)信じられないほどの巨大な大きさの敵と不思議な能力で闘っていた。

ちゃんと読んだことも観た事も無いのでストーリーは知らないのだけれど、この漫画でいつも気になるのが人のサイズ差がめちゃめちゃある、というところ。

最初、巨大な人は妖怪かなんかなのかと思っていたけれど、そういう事でも無さそうだ。

何がどう影響しているのかよくわからないけれど、とにもかくにも手足がゴムみたいに伸びる主人公の少年(青年?)は無鉄砲にもその巨大な超人と超人対決をするのだった。

彼に勝ち目はあるのか! どうなんだ ル〇ィー!…

日本は伏字文化である。

「なんで少年漫画ってみんな超能力者になりたがるの?」

吉祥寺まで運転している人に訊く

「ファンタジーもんだからじゃね?」

「野球でもサッカーでも、すぐ超人化するじゃん」

「あー...ねぇ?」

「なんでも、どんどん超能力で凄くなればいいんじゃん」

「その凄く成り方で読ませんのよ」

「敵が次々と凄く成るってなんなの?」

「次々としょぼくなったら、誰も読まねーだろ」

「でも多くない?超能力化しちゃうの 敵も味方も結局全員が魔法使いよ?」

「しょうがないだろ、素じゃ大人に負けるんだから」

この運転手もきっと、かつて超能力が欲しかった少年

私の質問に運転手の答えは会話として合っていなかったけれど、私は納得した。

私もかつて超能力が欲しかった。

かつて…「かつて」なんだろうか?

そのあたりは、みなさんどうなんでしょう?

本音で行ったら、今だってやっぱり欲しいのだろうか。

巨大な敵をやっつけられる、3DもびっくりなSFファンタジーな自分自身が。

そんな感じで、現代社会のAIって発展しているのだろうか。

だって、道具っぽくないし。超人頭脳って感じだし。

超人の定めを、超人じゃない私は一つだけ知っている。

それは

「勝ち続けなければならない」

これである。マジでマジで。

AIの未知な部分にプログラミングされていたっておかしくないくらいの定めだと思う。

繰り返しておくけれど、私は超人じゃない。

これから、何か新たに書こうと思っているんだけれど、その場所をまだ用意していない。

どこか公表場所は無いかな…と考え考え、「新作を書き始めるよ」ってブログを書くところから始めてみた。

そんなわけで、もう始まっています。

あのコは加工肉が好き①(序曲)

………………あ、この始まりは変態動物ならぬ変態始まりにしたい。

つまり、数日後にはこのブログ自体が変化している可能性があります。

その変化を次の「あのコは加工肉が好き ②」の入り口にしたい。

意味がわからない?

まぁ、今は。そのうち分かるようにします。すみません。

この変態にはこれと言って意味はない。

単純に「場所が無い」ので、移り変わりながら順応させていくしかないのだ。

なぜか、そんな定めになってしまった。

ひとつのところに安住出来ない。なんてことだ。

ずっとここで書けばいいじゃない...って事も出来ない。

なぜなら、「あのコは加工肉が好き」はブログにしたい訳では無いから。

…なぜ、場所が無いのだろうか…

それもこれも、きっと「あのコは加工肉が好き」が超人では無いせいだ。

凄い超能力が使えたら、「あのコは加工肉が好き」は自分の50倍ぐらいの大きさの敵とだって闘って、自分の領土を持てたはずなのに。仲間と共に王国を築けたはずなのに。

しかし、現実はそんな甘美なものではない。

「あのコは加工肉が好き」には、仲間なんていない。始まったばかりだから。

そんな憧れは、泡の様に消えてしまう。

定住なんて淡い期待は捨てるのだ。

日々、あったような…無かったような…で、消えていくのだ。

くよくよしないで「あのコは加工肉が好き」

さぁ、行こう。

なんの為に?

素じゃ、負けちゃうあんたの為によ。

20数年連れ添っている運転手は、「銀行に寄りたい」と言ったらちゃんとその近くにおろしてくれた。

「じゃーね、ゆっくりしといで」

「用事で行くんだよ」

「どうせ、帰りどっか寄るだろ」

「うん」

「帰りの時間はLINEして」

「うん」

「一回コールして。多分、寝てるから」

うん

わかった

ありがとね

吉祥寺はいつも人でいっぱいだ

コロナ初期のころも、吉祥寺は人手が他の街よりも有って

それがニュースになっていたなぁ…と、毎回思う

でも、練馬区の方も人は結構居た。

カメラ(世間の目)が練馬区には来なかったってだけで、

スーパーなんか自宅業務になったパパまでそろって買い物に来るので、

物凄い事になっているとパートをしている友達が言っていた。

海外暮らしの日本人の作家が「これだから日本は危機管理が…そのてん先進国では…」みたいなことをツイートしていて、先進国警察になっていたけど、まぁ、それもご最もなんですけれど、せっかく海外にいるのだし後進国の深刻さから気にかけてあげるべきなんじゃないかと当時は少し思った。全世界大流行なんで。

だって、日本は給付金一回しか出て無いんだから、なんらかんら街に人の流れはありますよ。感染怖かったけど

セックスワーカーには保証金出なかったし(それも「先進国では…」って批判の材料なのだけれど)

社会の流動が無いと生活は枯渇していく

学費が払えなくなった学生とか、一人暮らしの女性の生活苦が深刻で…自殺者も出て…なんてニュースが続けてあって、その前からよく耳はしていた「パパ活」がなんか前よりも聞くなぁ…なんて思っていた。

パパ活って、つまり愛人とは線引いているんでしょうか?

言い方変えてるだけで変わりないのか。

よーするに、言い方は就活のパロディだけど、古代からの職業で…あれ、これ前にも書いたな。

まぁいいや

『だらだら坂』の鼠を知ってますか?

向田邦子の短編小説『だらだら坂』にでてくる鼠は、中小企業の社長。あだ名が鼠

身体が小さく、せかせか動く。

社長になった今もタクシーはワンメーター上がる前に降りてしまう。

そんな小市民的な社長。

その鼠も愛人を持ち、麻布の中古マンションに囲った。

20歳のトミ子。身体が太く大きく、これといって美人でも無い野暮ったい女の子。

肌の色だけが光るように白く、ハダカになると腹が鏡餅みたいだ。

言われた事だけはするけど、それ以外気を回したりしない。

そんな気の利かないトミ子にいつもせかせかしている鼠は気持ちが安らいだ。

ひとつ、鼠がトミ子に命じた事。それは[隣近所と付き合うな」

しかし、ひょんなことで隣近所のスナックの雇われママと、トミ子は交流を持つようになり、彼女からの帳面付けの仕事も得る様になっていた。

ある日、鼠が海外出張中にトミ子は目の整形手術をしていた。

怒る鼠。しかしトミ子は謝らない。

「あの、細い目が、おふくろのあかぎれの様な細い目が好きだったのに」

それからトミ子はだんだんと奇麗になってき、明るくよくしゃべるようになっていく

トミ子の住むマンションまでは坂道になっている。

そこを登って行く前に、いつもタバコを一本吸ってから登って行く

男の花道の様にゆっくりと…

しかし、今トミ子は自分の手から離れていきそうだ

…………あぁ、トミー君は行くんだね

二十歳の若い娘なら、そりゃずっと囲ってもいられないでしょ。

向田邦子は、当時(日本の高度成長期)の男心を描くのが上手いと言われていますけれど

それは、母系国だってことが手に取ってわかったんでしょう。

トミ子は整形して自由を得たのだろうか

鼠の囲いからは出て行こうとしているけれど、

その顔はたぶん、都市に反映されている顔になっているんだろう

それが生きやすいなら

それを手に入れようとするんだろう

ひょっとしたら、都市の囲いの中かもしれないけれど

自作に「将来は整形したい」って中学生の女の子を出したことがある。

主役じゃ無いけれど、彼女の事が、ときより気になる。

自分で書いているけど、それほど書いた人物を書いた本人が知っているわけではない

彼女も、ふらふらと流行の顔の中に出ていくんだろうか

高校は結局進学しただろうか

意思は独自の意思の様で

そうでもないかもしれない

入試を捨ててるなら、通信制の高校って手もあるよ

…なんて、余計な心配を親戚のおばさんみたいにしてしまう。

自分で書いたんだけど。

彼女はなんか魅力のある方へ行こうとする…………って事とも違う

出ていきたがってるっていうのは、

受け入れてもらいたがっている

 

 

…………あ、電車乗り換えなきゃ

 

…………えーと乗り換え口 乗り換え口…………